彩りの大地 Laboratory スタイルシート実験場

スタイルシート実験場

仲間を求めて

 まず、話に入る前に、このぺぇじはあくまで実験用で、りんくの仕様にもちょっと注意ということらしいので気を付けてほしい。
 基本的にはこれから書く通りだが、”← ばっく”は実験場1、”かれんとちゃぷたぁ”はLaboのインデックスぺぇじ、 そして”ほぉむ”はその通り、”彩りの大地”のホームに戻るという意味だそうだ。
 それらを踏まえ、より充実した彩りの大地生活が認可されるといい。(某B語)

 仲間を求めて(Searching for Friends)とは――そう、SQUARE(現SQUARE ENIX)が生み出した大作の1つ、 ファイナルファンタジー6の作品の中で使われるBGMの一つであり、言わずと知れた耳泥棒である。 もうやめて! とっくに私の集中力はゼロよ!
 このBGMが流れる時点で、作中の様相はすでに世界崩壊後という絶望的な状況なのだが、 そんな絶望の中でも希望を感じさせる曲調であり、 その人気については語りつくせないほどのものがある。
 作中において、これが初めて流れるイベントシーンも印象的で、いずれもが名台詞。 このBGMが初めて流れる直前の回想シーンに使われるBGM「墓碑銘」も地味に名曲としても知られており、 直後の「仲間を求めて」が流れた時の感動をさらに引き立てる効果があるようだ。
 荒廃した世界において、セリスはそれまで共に戦ってきた仲間たちはバラバラに。 仲間どころか、自分が気が付いた孤島では”おじいちゃん”以外には誰もいなかった。 ”おじいちゃん”によると、自分が気が付く前までは何人か生存していたようだが、 こんな荒廃した世界のこんな孤島に取り残され、絶望し、北にあるという崖から身を投げていったのだという。
 果たして仲間は無事なのか? それとも、世界は本当に自分以外の存在を残して消え去ってしまったのか?  そんな絶望的な中、希望を求めて仲間を探し、最後の敵に挑むセリスだった――

 これまで崩壊した世界で希望を見出しながら旅を続けてきたセリス、 旅の最中、希望を捨てず半ば世助けのようなことをしながら旅をしていたマッシュと、 無謀にも魔物の巣窟に身を投じてまで自国の民を助けようと奮闘していたエドガー、 このフィガロ兄弟と再会したのだった。
 フィガロ兄弟といえば、世界崩壊前において、 かたや先進的な機械の力で数多の敵を蹴散らす力を持ち、 かたや、強靭な肉体から放たれるパワーによって数多の敵を蹴散らす力を持つ、 この2人と早く合流できたのはなかなか運がよかったようにも思える。
 セリス自身も敵の魔法を吸収し、自らも魔法が使えるという能力こそ持つが、 確かに、防衛用という観点では自分の能力のほうが役立つといえるかもしれないが、 攻撃面においてはこの2人の方が1枚上手であるといえよう。
 世界崩壊の影響で現れた邪悪な魔物を撃退しつつ、3人は進むと、 そのうちコーリンゲンの村へとたどり着いた。 村は廃れこそしているが、なんとか無事の様である。

 3人は宿屋へと赴き、ふと建物の中にある酒場の方へと目をやると、 そこにはなんと、世界崩壊前から一緒に戦ってきた仲間の1人であるセッツァーがいたのだ。
「セッツァー!」
 セリスがそう訊ねると、セッツァーは驚きながらも、少し安心したかのような様子で答えた。
「生きていたか」
 そこへセリスは間髪を入れずにセッツァーに訊いた。
「いっしょに行きましょう。ケフカを倒しに!」
 だがしかし、セッツァーは――
「ふ……もう俺は何もやる気力が無いよ」
 なんだか諦めたような様子だった。そんな、どうかしたのだろうか、セリスはそう思いつつ、セッツァーに聞き返した。
「何を言っているのよ」
 とはいえ、言わんとしている気持ちはわからなくもなかった。 かくいう自分も少し前、崩壊後の世界を旅する前まではほぼ絶望していた。 それこそ、崖の上から身を投げようとすることも考えたほどである。 だが、そんな自分を奮い立たせてくれたのは、 仲間の一人である”ロック”という存在と、そして”おじいちゃん”の存在があったからこそである。 その2人がいなければ自分はここにはいない。
 そう、仲間がいるからこそ、自分は立ち直れた――彼にも、セッツァーにもそれを考えてほしかった。 だが、彼には彼なりに思うところがあったようだ。
「もともと俺はギャンブルの世界……人の心にゆとりがあった平和な世界にのっかって生きて来た男…… そんな俺に、この世界はつらすぎる。それに翼も失ってしまった……」
 そうだった、そもそも彼はそういう平和な時代だからこそ成立し得る世界の人間だった、 それだけを考えれば、彼の言い分としてはもっともである。
 だが、どうだろうか、それはそれでかつては自らの命をチップに変えて自分たちに賭けてくれるなどというような発言も辞さない彼の性格にはそぐわないような気もする。 それに、最終的には自らの危険を顧みずに自分たちと一緒に戦ってくれた、そんな彼がどうしたのだろうか、 セリスはそのことを引き合いにしてセッツァーに訊いた。
「世界が引き裂かれる前に、あなたは私達と必死に戦ってくれたじゃない? あんなつらい戦いに……」
「でももう俺は……夢をなくしちまった」
「こんな世界だからこそ、もう一度、夢を追わなければならないんじゃない? 世界をとりもどす夢を……!」
 夢――そうか、この状況だからこそ、追うべき夢があるのではないか?
 セッツァーは考えた、言われてみればこれまで自由気ままにやってきたセッツァー、 世界が平和だろうがそうでなかろうが別に気にしなくたっていいじゃないか。 確かに、世界崩壊前に比べればなんと人々の活気のなさよ、それを見ていたからだろうか、 つらい世界だから自分自身が成立しないだなんて考えてしまったんだ。
 でも、今は違う。こうして、目の前に希望を胸にした仲間が、セリスがいるじゃないか。 だったら自分を貫くまでだ、この荒廃した世界でも自由気ままに生き抜いてやる、 それこそが自分自身の生きる道であり、夢だったハズなのだから。
 そう考えたセッツァーはこれまで自分が気を落としていたことを後悔し、セリスの話に同調した。
「ふふ……あんたの言うとおりだぜ。つきあってくれるか? 俺の夢に……」
 それに対し、セリスは頷いて答えた。
 そういえばこんなこと、以前にも1度あった。 その時の作戦の最後にはセリスの姿はなかった。 とはいえ、あの時は状況が状況なだけに不安な事も多かった彼女だが、 今はおそらく違う――むしろ、なんだか希望に満ち溢れている気さえもする。 そんな彼女にそこまで言われたら――セッツァーは再び自らの命をチップに変え、彼女に賭ける時が来たことを悟ったのだ。
「ありがとう。行こう……ダリルの墓へ……。よみがえらせる……もうひとつの翼を!」

 ダリルの墓、墓とは言うがほとんど洞窟のようなダンジョンそのものであり、 亡霊ひしめく恐怖のダンジョンだった。 だが、一行は何とかして墓の最深部へとたどり着くと、そこから隠し階段を見つけ、 地下深くへと降りて行った――
 階段を降りていく間、セッツァーは昔話を始めた。 それは、かつてセッツァーの親友だったダリルと共に飛空艇(空飛ぶ乗り物)でスピードを競い合っていた内容の話である。
 セッツァーの愛機ブラックジャック号、その船は世界崩壊前にセリス達と共に旅をし、 激しい戦いを耐え抜いてきた仲間だったが、世界崩壊の折、世界と共に引き裂かれ、大破した―― 翼を失ってしまったのである。
 そんな末路を迎えたブラックジャック号だが、昔話では世界最速と呼ばれるダリルの愛機ファルコンに挑んでいた。 挑むといっても勝ちは見えている、つまり、セッツァーにとってのこれは勝負でもなんでもなく、 親友であるダリルとのコミュニケーションのようなものだった。
 そんな中、ダリルはファルコンで世界新記録を目指し、1人無謀な行動を起こすことになる。 その様子に危機を感じたセッツァーは慌ててダリルに告げた、 日没ごろにいつもの丘で落ち合うことを。
 しかし……約束したセッツァーの希望もむなしく、 その1年後に遠くの土地で壊れたファルコンが発見されることとなる……。 そしてセッツァーは、ファルコンを整備し、ダリルと共に大地の下に眠らせることにしたのだった、友よ、安らかに――

 昔話を切り上げると、一行はどうやら飛空艇らしきものの甲板の上に――
「これがファルコン?」
 エドガーはそう訊ねると、セッツァーはため息をつき、そして、意を決したかのように言った。
「羽を失っちゃあ世界最速の男になれないからな。また夢を見させてもらうぜ。ファルコンよ」
 セッツァーは操縦桿を握るとファルコン号は全速前進、海中の中から徐々に姿を現し、 世界最速の名は伊達ではない走りっぷりで上空へと浮かび上がった!
「今度は俺達の夢を」
 浮かび上がった様子を見ながらエドガーはそう言うと、セリスも頷いて答えた。
「がれきの塔のケフカを倒しに行きましょう」
「このファルコン号で塔の上空まで行き、着陸しようとすれば乗り込めるはずだ!」
 エドガーがそう言うとセッツァーは頷いた。
「ああ。そして俺達の仲間をさがそう」
「そう、俺達にもまだ夢はある。いや夢をつくりだせる!」
 エドガーの言うとおりである、諦めるのはまだ早い。 エドガーはエドガーなりに考えがあるのだが、セリスはもちろん知っていた、 彼と再会したときはまさにそれを知ら締めさせる出来事があったほどだから。
 そしてその時、どこからともなく鳩が……あれは伝書鳩のようだが、 セリスはその鳩に見覚えがあった、自分が絶望している中、 仲間である”ロック”の生存を思わせる鳩と似ていたのである。
「あの鳥は?! もしや……セッツァー! 追って!」
「どうした?」
「わからない……けど、あの鳥の行く先に仲間がまっていそうで……」

 以上。小説風に適当に書き並べただけなので否定的な意見があっても自重しといてくださいね。 あくまでスタイルシートの実験場であるため。適当な文章量が欲しかっただけです。
 えっ、そんなに文章要らないって? まあ、そんな細かい事どうだっていいじゃないですか。

 ここで話が終わるとアレなので、BGM仲間を求めての続きを。
 これまで、世界崩壊後のフィールドBGMは「死界」という、 まさに絶望を感じさせるような暗い曲調のそれが使われていたのだけれども、 上述のイベントを経ることでこの「仲間を求めて」に置き換えられる。 (イベント中でも「羽を失っちゃあ世界最速の男になれないからな ~」の件からBGM「仲間を求めて」がログインする。)
 さらに、世界崩壊後のフィールドの都合より、空の色は赤く、まさに夕焼けを思わせる色合いであるため、夕日を連想するファンも多い。 そういうこともあり、BGM「仲間を求めて」に関する動画を投稿するユーザの何人かはサムネイルなどの画像に夕焼けを採用することが多いようだ。 ちなみに個人的にも、夕方あたりにこの曲が流れるとしっくりくるほどである。

 最後に、このBGMにおける注意点を。 それは、「デスゲイズエンカウントBGM」でもあること。 上述の通り、ファルコンで移動している時のみならず、フィールドBGM自体が変わっているため、 エンカウントする敵はデスゲイズに限らないが、何も気にせずにこのBGMに聞き惚れ、 ファルコンで大空を縦横無尽に操作している最中にいきなりデスゲイズに遭遇し、 不慮の事故に見舞われたプレイヤーの数も後を絶たない。
 事前情報もなしに初見でデスゲイズに遭遇した場合はそこそこきつい戦いになる可能性もあるほど。 デスゲイズは「ブリザガ」「エアロガ」といった上級魔法を使いこなし、ダメージ的にもかなり痛い威力。 加え、開幕いきなり「レベル5デス」という「レベルが5の倍数の相手すべてを即死させる(即死耐性は無視される)」という魔法を放ち、 レベルが5の倍数のキャラを問答無用で退場させてくるため、場合によってというよりは、 初見殺し上等と言わんばかりの鬼畜モンスターでいきなり全滅することもありうるのである。
 ただし、このモンスターは「残りHPは今まで受けた分のダメージ量を保持し続ける」という、 作中では特殊な性質を持ち、それゆえか、一定回数行動すると逃げてしまうため、耐え続ければ何とか凌げるし、 こちらの準備が十分なら逆に倒すことも可能。一度の戦闘で倒すことは難しいかもしれないが。
 とにかく初見殺しの要素が強いため、初めて遭遇した人にとっては厄介な存在となる。
 何はともあれ、不慮の事故防止対策として、最低でもファルコンで移動する前には一旦降りてセーブ必須といわれたりしている。 万が一セーブを忘れてこいつに全滅させられると、またダリルの墓からやり直しとなるため、 そういったことでも名曲でありながらトラウマ曲でもあるなど、いろんな要素で印象に残りやすいBGMであると言える。